読売online:中国も世界遺産登録に反対表明…明治の産業施設

記事要約

中国外務省の華春瑩フアチュンイン副報道局長は14日の定例記者会見で、ユネスコの諮問機関が世界文化遺産への登録を勧告した「明治日本の産業革命遺産」について、登録に「反対」すると表明した。韓国はすでに登録反対を表明しており、中韓両国が足並みをそろえた。華氏は、遺産申請の対象の一部施設で、中国や朝鮮半島から連行された人々が労働させられていたと主張。韓国と同様の「重大な懸念」を抱くと語った。

疑問

中国、韓国の主張は正しいのか?2国の反対によって世界文化遺産への登録が見送りになる可能性はあるのか?

考え・主張

日本ユネスコ協会連盟のHPを見ると、世界遺産の登録基準が載っている。合計10個ある基準のどれか1つ以上を満たし、真実性などの条件をクリアし、かつ適切な保護管理体制が取られていることが世界遺産登録には必要な条件なのだそうだ。それらの基準の中の1つに、「顕著な普遍的価値を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある」というものがある。ユダヤ人を大量処刑したことで有名なアウシュビッツ収容所が世界文化遺産登録されているのは、この基準を満たしているからだ。このように、残虐な犯罪行為が行われた場所でも、むしろその記憶を風化させないために世界文化遺産に登録されている。中国、韓国の気持ちもある程度くみ取ったうえで世界文化遺産に登録すればいいのではないだろうか。