読売online:文科相、国立大に国旗・国歌要請…大学側反発も

記事要約

下村文部科学相は16日、国立大全86校の学長らを集めた東京都内の会議で、入学式や卒業式の際には国旗掲揚や国歌斉唱を行うよう要請した。国旗掲揚と国歌斉唱を両方とも行っている国立大は約16%にとどまっており、大学関係者からは「大学の自治や自主性は尊重されるべきだ」などと反発する声も上がっている。一方下村文科相は「各国立大の自主的な判断に委ねられているが、適切に判断いただけるようお願いする」と実施を求めた。

疑問

国立大の運営費は税金によってどのくらい賄われているのか? そもそも国旗を掲揚するという行為の意味は何なのか?

考え・主張

文部科学省が作成した教育指標の国際比較によると、日本の国立大学法人学生一人当たりの公財政教育支出費は197万円であった。これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも断トツの1位である。国立大の収入は約8割が公財政教育支出であるし、確かに、国立大はほぼ税金によって賄われているといっていい。その点を無視するのはおかしいと私も思う。だが、平成20年度の国家予算を見てみると、税収全体において国立大や私立大に投入される税金の割合はわずか2.8%だった。また、国立大の入学金及び授業料は30年前から上がりっぱなしであり、今ですら財務省は国立大の授業料をさらに上げようとしている。それを知ってしまうと、なんだか国に首を絞められながら「感謝しろ感謝しろ」と言われているような違和感を覚えてしまうのは私だけだろうか。お金が足りないけどどうしても勉強がしたいから、比較的安い国立大に、奨学金で借金までしてきた生徒は少なくないはずだ。どうか彼らのことも考えてほしい。

その他

特になし。