読売online:ライチョウ人工繁殖へ、来月から北アで卵採取
記事要約
国の特別天然記念物のライチョウを人工繁殖して野生に戻すため、環境省は6月から北アルプスの乗鞍岳(長野・岐阜県境)で卵の採取を始める。複数の巣から10個の卵を集める予定で、東京の上野動物園と富山市ファミリーパークで分散飼育する。国内でライチョウの人工繁殖は過去にも行われたことがあるが、病気に弱いため、野生に戻すには至っていない。
疑問
野生の卵を採取してわざわざ人工繁殖する理由は何なのか?
考え・主張
ライチョウは中央山岳の高山極地や山岳のツンドラ地帯に住んでいる。1980年代には推定3000羽だった生息数は、天敵のキツネやカラスの生息域が広がった影響で2000羽弱まで減少してしまった。よって動物園などでの安定した人工繁殖が求められるのだが、ライチョウは下界の病気に対する免疫を持たず下界の食べ物にも慣れていないのでどうにも上手くいかない。だがキツネやカラスの生息域が狭まる見込みもないので、人工繁殖を諦めるわけにはいかないだろう。ワクチン接種などの医療的援助も含めた、慎重な検討が求められる。
その他
特になし。